常日頃自分が何をどういう視点から観察しているかを映し出すまっさらなキャンバスかスケッチブックのような作品。そこに水彩筆でトントンと着彩していく。
ノオミ・ラパス出演作は数年ぶりなのと予告編最後の一言が気になってFilmarks様主催の試写で観賞。A24が買付けたというだけで「ミッドサマー」を連想すると肩すかしをくらうのではないか。行っておけばよかった国の一つ、アイスランドは首都レイキャヴィクの外だとこういうところもあるのかと興味深かった。
台詞が少ないところから徒歩で行ける範囲にはなにもないような場所という設定がまず良い。ごちゃごちゃした作品が圧倒的に多いなか観客めいめいに話を展開させる空間をわかりやすく与えるので、集中力一発勝負の映画館で観る意義が増す。
トークイベントの内容は決定打ではないけれども北欧という先入観ではすぐに浮かんでこない解釈が挙がってきて『そういう見方もあるのか』と面白かった。
ホラーではないのでタル・ベーラ好きな方も推理好きな方も観光映画好きな方も。
※マリアがイコン(アイコン)のようなヴィジュアル。