まるか

LAMB/ラムのまるかのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.9
圧倒的気味の悪さと煮え切らなさ
羊と人間という、誰もがわかりきっているはずの境目がわからなくなる。
これは生物学的な話ではなく、
生命という漠然とした哲学的な話
「人間はこうあるべき」
「羊はこうあるべき」という常識から隔離された羊飼い夫婦の世界は、不穏な音楽と禍々しくも愛らしい”命”と共に先の見えない霧の中を歩んでいく…
そこに待ち受けていた結末はあくまで形式的な映画としての展開であって、物語の妙はその歩んできた霧の中にこそひっそりと、そして気味悪く漂っていたような気がする。
ずっと誰かに見られているようだった…
まるか

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