今年公開の映画の中でもでかなり期待していた作品。思っていたよりも単調な作風で、想像通りの作品だったので少し残念だった。けれど、見たいものは見れたので重ね満足。
我らの想像の範疇を超えた禁断の存在を題材にし、人間のエゴを描いている。美しい映像美と、印象に残るシーンが多い。私たち日本人が普通に生きていれば見ることは無いアイスランドの果てしない大自然に息を飲む。奇妙な生き物達の姿は脳裏から離れない。羊の出産シーンなんていうレア映像まであるんだから盛り沢山だ。
登場人物の目線がこちら観客の方へ向くシーンが多かった印象。私たちへ何かを訴えかけているのだろうか。「ほら、この物語をどう思う？」と問いかけられているよう。物語の解釈は私たちに委ねられている、という事か。
抽象的で退屈なのでエンタメとしては面白くないのかもしれない。けれど、これからもずっと忘れない、唯一無二な魅力に溢れた映画だと思う。
