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LAMB/ラムのメモのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

監督は違うのだけど、ミッドサマーの配給会社の映画ということで、かなり覚悟して観に行きました。
ミッドサマーでは、映画館で吐きそうになったので。

かなり不気味ではあるのだけど、めちゃくちゃ観やすい。ミッドサマーと違って何度か観たい作品。

映画って観てるうちに先の展開を想像してしまうのだけど、何度も裏切られた。

弟がやってきた時も、夫婦はアダを隠そうとするのかと思ったら、普通に我が子を紹介するように連れてくるし、それがまた狂気じみてて恐ろしくなった。

弟に母羊を殺した事をアダにバラすと脅された時も、奥さんが弟を殺すかと思ったら、ただ見送るだけ。
でも、それがリアルだし、そのリアルな気まづさが抜群に良かった。

物語の構成も素晴らしかった。

オープニングの山を彷徨う誰かの目線のシーンと、重い足音に羊達が反応するシーンが、アレがなんだったのかずーーっと回収されなかったんだけど、ラストでそういう事かと。オープニングはムキムキ父羊の目線だったのかと。あの寒い夜はあの羊小屋だけは熱帯夜だったのかと。

奥さんと母羊の対比のように、旦那さんとムキムキ父羊の逆の立場を表現したり。上手い。

台詞が少ないから無駄がない。
タイムトラベルのニュースの話で、「過去に戻れる?」ってそれだけの会話でこの2人は過去に何か後悔したことがあるって分かるし、アダのお墓を見せるだけで子供が何かの理由で亡くなってしまい、穴の空いた夫婦のもとに羊のアダが産まれたのかって理解できる。あれだけ溺愛する姿にも危うく共感しそうにもなる。

あと、あのムキムキ父羊はなんなんだ?
悪魔ってことで良いのか?
バフォメットだっけ、神話か聖書か忘れたけど、羊頭の悪魔みたいなのがいた気がする。
そうなると、夫婦はアダのことを『神からの贈り物』や『幸せ』って呼んでたけど、実は『悪魔の子』ってことになるのか。
最高に嫌味の効いた設定にも思えてくる。
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