そうめん

LAMB/ラムのそうめんのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.7
映画とは何だろうと考えることがある。すべての謎が鮮やかに解決し勧善懲悪でスカッとするシナリオなのか、あるいは美男美女がその魅力をきらびやかに発する演技と存在感なのか、もちろん、効果的に感情を盛り上げる音楽や歌も含めどれもが不可欠の要素だろう。としたとき、今作はそれらの要素はちょっと弱い。シナリオは意味深だが多義的で分かりにくく、美男美女もあまりおめかししていない。音楽は最小限で自然音中心。だがとても映画的だった。
映画とは時間を表現する芸術という言葉があったように思う。劇中の時間経過はラストに向けてのカウントダウン宣告のようなもので、この出来事がどこに向かっているのかは明らかだ。それでも、アイスランドの荒涼とした風景の中で100分付き合うことで、伝説=神話を目撃した感慨に浸ることができる。その意味するところは自分で考えなければならない。B級カルトで終わらせるかどうかは、観る側次第か。