昨年話題になっていたので気になって、漸くサブスク鑑賞。
変な映画でしたね。
白夜が続く北欧で、規則正しく、広大な自然の中、慎ましく生きる夫婦の生活がただ映され、ある日、得体の知れないものを二人は羊の出産でとりあげることになる。。。
というのが、大まかなあらすじ。
思った以上にホラーぽくなくですね。
主題は、哀しみから立ちあがろうとする、夫婦の絆を基盤とした話なのですが、
こじらせ家族映画ともいえます。
以下
〜ネタバレ〜
コレ全部を人間で描いたならば普通?ではないにせよ、ホラーではなかった筈です。
○産みの母親※襲われてできた子供だが愛しい子供を思う母親
○子供を亡くし、他人の子供を奪う母親※マリア
○強姦魔の実父
○育ての父親、妻を心配しつつアダも愛していく。
○父の弟、の強欲さ色欲の気持ち悪さ。一方で目覚める叔父としての愛。
○アダ 可愛い、、、、ひととは違う見た目だが、何故かどんどん可愛くみえてくる。セーターとかの着こなしも素敵、可愛い。
聖書や神話などを引用されているようですが、羊のフォルムのせいか、人里離れた世界から、寓話ぽさがあります。
最後の化け物はギリシャ神話にでてくる
性的欲望の化身らしいのですが、性欲というのは子孫繁栄の意味もありますからね。
悪魔だと断定するには違うのかもしれませんが、行き過ぎた性欲は雌にとっては危機を感じるモノでもあります。
危険危機としての性
夫婦としての性
そして生まれる子孫※アダと最後の妊娠の兆し
ギリシャ神話はさておき、個人的には生と性と家族、人間も羊も化け物も生きる事は闘いだ!!!
て感じました。
A24は最近ホラー映画をたくさん排出してますが、実はどれも、不気味なもの、や理解の及ばないものを全て"ホラー"というものに括っているように思います。ホラーの懐の深さってやつですかね。
考察を読むとギリシャ神話がどうのこうのとでてきて、なるほど納得となります。
この監督は元々、タルベーラ監督が立ち上げたFILM FACTORYに在籍されていたようで、同じく在籍していたセノーテを撮った小田香監督もこの映画に参加されていたようです。
断定的ではなく、説明を省き、美しい映像をゆったりと映す作風はタルベーラの影響をうけているのかなと思いました。