ちこまる

LAMB/ラムのちこまるのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

いつものように羊の赤子を引き上げるとそれは羊ではないナニカだった。
顔は羊、身体は人間。
そんな悍ましい生き物を夫婦はアダと名づけ自分の子供のように大切に育てた。
その子の本物の母親になりたかった。
生みの親を殺してまで。


最初は気味悪かったアダも慣れてくると段々可愛く見えてきた。
死んだ子の代わりにしている夫婦の気持ちも理解できる。同じ名前を付け、寂しさを埋め、代わりとなる子がいることで救われる心があるのだろう。

仇をとりにきた父親らしき羊人間には驚いた。
何らかの変異ではなく父親もアダと同じ造形。
何処からきてどうやって生まれたのか分からないままだったが、
最後まで反対気味だった父親がアダを守ろうとする姿、夫婦がしたことをそのまま返された最期。
人も羊も羊人間も、奪われたもの、命の重さは同等だと感じた。


ホラーと思って観たけど終始アダちゃんが可愛い映画だった。
ちこまる

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