つじおか

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のつじおかのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

本当に久々に鑑賞。15年ぶりくらい。

子どもの頃に繰り返し観た作品を30歳をすぎて鑑賞するなんて、この作品の序盤で描かれている大人たちと同じことをしているなあ。

ヒロシ回想とタワーを駆け上がるシーンは今見ても素晴らしかった。

新たに気づいた点。
・子どもに戻った大人たちは、しんのすけらに冷たく当たるが、それは悪人になったからではない。子どもに戻り、他コミュニティの人間を排斥する抑制が効かなくなったから。

・劇伴がかっこいい(←今更)。大音量で観るべき映画。劇場で観るとさらに印象が違うんだろうな。

・ケンとチャコが作った20世紀博は50年代後半〜70年をモチーフにしている一方、ヒロシは(変な言い方だが)公開当時の2001年では年齢から計算すると1966年生まれの設定なので、あの世界観を懐かしく思うはずがない。もっと若いナナコや埼玉紅サソリ隊は尚更である。
では大人たちは、ケンたちが作り出した何の虜になったのか?それは多分、郷愁である。大人たちはあの高度経済成長的世界を懐かしんでいるのではなく、自分たちの子ども時代そのものを懐かしんでいるのである。
将来を決めなくてはいけない、仕事をしないといけない、家族を養わないといけないといった社会的な責任がなく、親などに思い切り甘えられた子ども時代に戻れるから、20世紀博とあの匂いに夢中になったのである(映画序盤で、ヒロシらが託児所に子どもたちを預けて遊ぶシーンがあるが、普通0歳児と5歳児を出先で他所に預けるなどあり得ない)。
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