ノットステア

裸足で鳴らしてみせろのノットステアのレビュー・感想・評価

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
3.8
○感想
題名の由来は?
映画の中でセリフとしてあったけど。なぜそのセリフを選んだ???


音と光が魅力的。


ちゃんと不快というかシンドイところもあって、娯楽とは別の「映画」って感じだった。
人と触れ合うことができない二人の青年。お互いに似ていることに気づき、惹かれ合う。普通には触れることができない。突如じゃれ合いが始まる。それはいつも急に始まる。
狭い部屋でも、外でも。
危ない。いつか頭をどこかにぶつけてしまうのではないか、ギリギリな感じ。一緒にいることを互いに求めているのに、一緒にいると怪我してしまいそうな。映画を観ながら二人の関係が終わってしまうのを常に意識させられる感じ。


直己と槙という二人の青年は、不用品回収で手に入れたレコーダーを手に“世界の音”を求めて、架空の世界旅行をする。
サハラ砂漠を歩く音、イグアスの滝に打たれる音、カナダの草原で風に吹かれる音を探し、自分たちで作り録音する。
槙の養母で盲目の美鳥さんのため。
海外旅行するよりも楽しそうだった。やっぱ何かを作るって楽しそう。
本当に海外に行こうと直己は言った。けど、音を作って共に過ごした時間は、本当に海外に行くことよりもかけがえのないものだったと思うときが二人にやってくるのかしら。

冒険とは。目的地に着くことも大切だけど、その道中が大事。
『劇場版 ONE PIECE』(2000年)、海賊ウーナンのセリフ。「俺が命をかけてでも欲しいと思ったものは、それは黄金ではなく、黄金を追い求める冒険そのものだった。」
漫画『HUNTER×HUNTER』ジン・フリークスのセリフ。
「道中を楽しめ」


貯めていたお金がなくなる。父親が借金返済に使っていた。
いつになったら外国に行けるのか。おそらく自分でも原因のよくわかっていない焦り。ちょっと分かる感じがした。
もう手段を選ぶ余裕もない感じ。


コンビニで再会したあと、意外とあっさり触れ合うことができる直己。


最後の運転。事故は起きないか、何かが起きるのではないか、そんな不安をもった。