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裸足で鳴らしてみせろのtntnのレビュー・感想・評価

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
4.0
久しぶりに先が読めない脚本の面白さを味わった。
力を加え合う二人の間に磁石みたいに反発と結び付きを繰り返す作用がある時、テクノロジー経験は触れることのできる素材を介した体験でもある。映画が引き延ばされたテープの塊になるし、音を用いた機械もその物質性がレトロな趣も含めて印象付けられる。
ロードムービーではなく(街から出られない)、「車」の映画なのもそれに通じる。
二人の関係が距離に、間に置かれた時に初めて、二人が聞いていた音が聞こえ始める。
思い出したのは『ワイルドツアー』。iPhoneの動画が山口からロサンゼルスまでを繋いでいた。あの主人公達が大人になったら本作の彼らみたいになっていたのかも。
長編2作目で絶対に映画館で観た方がいい映画を作れるのは凄いな。
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