咽頭癌により一時、声を失っていたヴァル・キルマーの半生を振り返ったドキュメンタリー映画。
少年時代から自身をカメラで撮影する習慣があったため、若き日からの素材がたっぷり。
最年少で名門のジュリアード音楽院演劇科に入学し、ケヴィン・ベーコンやショーン・ペンと切磋琢磨している姿は完全にお宝映像。
出世作「トップガン」では舞台裏でもトム・クルーズを激しくライバル視していたりと魅力的。
願いは叶わなかったが、キューブリックやスコセッシに売り込んだ映像も披露。
父の事業の浮き沈み、浮気した父に愛想を尽かすも後に幸福な再婚をする母、15歳で溺死してしまう弟などバックボーンも描かれていた。
声を失ってから初めてのサイン会で疲弊しながらも、役者業から離れてアート活動を始めるなど持ち前の克己心を発揮していて恐れ入った。