Chano

スープとイデオロギーのChanoのネタバレレビュー・内容・結末

スープとイデオロギー(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「かぞくのくに」を見て、ヤン・ヨンヒ監督に興味を持ち、ずっと見たかったドキュメンタリー作品。
韓国の民主化運動は1980年代に始まったと思ってる人が多いけど、もっともっと前からあったと。それが1948年の済州島4.3事件。反共の名の下、自国民を虐殺する韓国政府…。
それを経験したお母さんが認知症になって、初めてお母さんを本当に理解することができた監督の涙が胸を打ちます。
日本で生まれ育った北朝鮮人だけど韓国に疎開して、そこで済州4.3にあい密航して日本に逃げて、日本では朝鮮総連で活動し、普段は大阪弁で暮らしてるのに首領様を称える歌を歌い娘の結婚相手は日本人はダメだと言う在日コリアン2世の、複雑にならざるを得なかった人生の重みがこれでもかとのしかかる一方で、娘の旦那さん(日本人)に手の込んだ手料理を振る舞うどこにでもいる暖かく快活なオモニの顔。
難しい…難しすぎる…
私たち日本人が、同じ国に暮らす在日コリアンの方々のことを知らなさ過ぎたということがよくわかりました。韓ドラ沼にハマったおかげでこういうことも少しは知ることが出来て良かったと心から思います。
Chano

Chano