このレビューはネタバレを含みます
小野花梨演じる花田花梨と、見上愛演じる風子の女子高生コンビが、「プリテンダーズ」というチームを作って社会を変えようとする話。
電車で他人に席を譲った花梨は「人は他人に優しくできると気持ち良くなるんじゃないか」と仮説を立てる。盲目の人のフリをしたり、足が不自由な人のフリをしたりすると、周りの人が気持ちよさそうな顔で助けてくれることに気づき、そういったフィクションを現実に持ち込むことで、優しい世界に変えようとした。
SNSでバズったのをきっかけに、プリテンダーズの活動は当初の目的からどんどん外れ、エスカレートしていく。
不登校気味で、ゴッホに憧れ創作活動に勤しむもなかなか認められないことにヤキモキしていた花梨。ようやくプリテンダーズの活動によって社会に認められようとしているのに、炎上したからといって途中でやめることができない。
暴走する花梨を風子は止めようとするが……。
肥大化した自己承認欲求に絡め取られた女子高生は、最終的にどんな末路を辿ることになるのか。
2021年の最高傑作は「すばらしき世界」だと思っていたけれど、10月になって私的ランキングが更新されようとしてる。直近で観た映画では、心に刺さって抜けない度合いが堂々の1位。観終わってもなかなか忘れられないシーンがいくつかあって、そのシーン観たさにまた劇場へ行ってしまいそう。
