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プリテンダーズのSUのネタバレレビュー・内容・結末

プリテンダーズ(2021年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

とにかくシーンが長いと感じることが多々あった。冒頭の入学式のシーンからそう感じた。尺を使う割に伝わってくる量が少ないという、コスパの悪いシーンの積み重ねだ。
そのくせ、主人公の性格形成の過程が全く深掘りされず、冒頭からエキセントリックさだけが悪目立ちしており、理由も分からず迷惑行為を繰り返すことで、主人公への共感や好意は生まれず、ただただ不快。この不快感は逆に小野花梨の演技力が高いということかも。
家庭内不和がその理由だとしても説得力が薄い内容で、納得できるようなものは提示されなかった。渋谷のど真ん中で繰り広げられる叫び合いも心情の吐露も、引きこもりの人が行えるようには思えない浮いたシーンに感じた。また、ゲリラ撮影したためと思われる落ち着かないカメラワークで言葉が入ってこない上、リアリティのないセリフということもあり響かず。書き手の代弁者として言わされている感を凄く感じてしまうシーンになっており、キャラクターへの血が通ってない台詞に感じてしまった。
物語的には主人公の成長を描いているのだろうけれど、成長は最後まで感じられず、最後はハッピーエンド的な形で収めてしまっている。あのラストも決して褒められた内容のものではないし、父親がそこに協力的になるのも合点がいかない。何かのフリをすること(プリテンド)で、良い効果をもたらすこともあるよという例があまりに弱く稚拙。悪い影響の印象が強いままだ。主人公がプリテンド返しを受けるシーンなどは不要な気がしてならない。また、窮地に陥ったら女の武器を使って何とかしようとするシーンとかもすごく冷めてしまった。
引きこもりだった設定が、プリテンダーズ活動のきっかけへの信憑性を薄めるだけのものになっていて、結局動画配信者ってやつは、、みたいな内容にしか見えなかった。
親友も何故あそこまで仲良くなれたのか。や、引きこもりになった原因は何なのか?など、もっと尺を費やす部分があったはず。
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