女性向けの少年売春を働いている中学生男子（田辺治郎）が、客人の女教師（鹿沼えり）と片思いの同級生（大島登美子）からプレッシャーを与えられてしまう。身体と精神が分離した状態の性意識を説いている、日活ロマンポルノ。

清純と淫靡の二面性を男子視点から描くという、変則的な手法が取られている作品。主人公の少年は、仕事中はセックス・マシーンなのだが、学校生活に戻ると普通の童貞少年へと逆戻り。女子を目前にすると、童貞目線でまごついてしまう。

とりわけ、有閑夫人（飛鳥裕子など）を顧客にした、少年売春の世界をスケッチしているところに、映画的な魅力が詰まっている。初心な少女を演じる娼婦のように、純情派の童貞役を手練れの少年が演じていく。

恋愛劇では「肉体しか見えていない性生活が足枷になり、心的つながりを反故にしてしまう」というパターンを踏襲。「男はセックスを知ってもなお、心に童貞を抱え続けること」を暗示しているようでもあり、鑑賞後に天を仰ぎたくなってくる。

• #エロ映画

全員中学生にみえない。高校生の設定ではだめだったのか。みるからにへなちょこでさらに童貞にしかみえない主人公がアルバイトで大人の女を相手に売春。斡旋業は鶴岡さん。林監督お得意のコミカルな効果音、後半からは切なさ溢れる旋律へ。水野尾撮影監督のおかげか、夜の車内のレイプ場面や空き地での決闘など見応えがある。学帽を噛むクセのあるなよった主人公がちょっと気持ち悪くてなかなか良い。部屋のポスターはビキニの郁恵ちゃん。知らずに彼を買ってしまう教師の鹿沼エリや親友、初恋の女子、チンピラ２人組（影山&小宮山）交えて青春物語としてなかなか良い。ここでも林監督得意のモノローグ。モノローグって便利だなあ〜。自分たちの性交をビデオ撮りする飛鳥裕子も良い。

衛星劇場
2016/04