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愛なのにのペコのレビュー・感想・評価

愛なのに(2021年製作の映画)
3.8
古本屋の店主・多田と、多田に恋をする女子高校生。多田が恋をしていた女性・一花と、一花と結婚間近の男性。それぞれの恋が一方通行で進むラブストーリー。愛なのに…愛のはずなのに…相手に気持ちが伝わらない。相手の気持ちが分からない。男女で違う恋愛価値観であったり、大人ならではの躊躇してしまったり、勢いに任せてしまう気持ちが、時に真面目に、時に面白く描かれていました。エッチなシーンは多々ありますが、それが全く、いやらしさを感じさせない大人の恋愛映画に仕上がっていました。大人の男と結婚したい女、SEXに快感を覚えてしまった女、SEXが上手い男、SEXが下手な男…話がめちゃくちゃになりそうだが、きちんとまとまっていました。
多田のような慎重で真面目な男のほうが恋愛に関しては上手くいかないのかもしれない。2人の女性から言い寄られてモテモテな多田だが、愛とは何か…正解が分からない多田に多くの人が共感してしまうのは間違いない。
好きだけど好きじゃないかもしれない。好きじゃないけど好きになるかもしれない。周囲からは変に見えるかもしれないが、本人たちが良いと思うならそれでいいじゃないか。愛を否定する権利は誰にも無い。今泉力哉らしさが光る脚本でした。
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