ぽねごん

笑いのカイブツのぽねごんのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.0
才能というのは、一括りにするのは難しい。ツチヤには笑いというひとつのことに人生をかけて情熱を注ぐ才能はあったが、バランスをとって世間に見えやすい形にする、つまり笑いをお金にする才能が余りにも乏しかった。

ツチヤの言う正しさの通用しない世界は地獄かもしれないが、それでもそこで生きていくしかない。それがまた地獄である。

今やリーマンとして半分自分に嘘つきながら生きている自分にとってツチヤはどうしようもなく眩しく見えるが、同時にどうしても肯定し切れないとも思う。しかし、そういった安易な共感や馴れ合いを一切拒絶するからこそツチヤなのであって、だからこそある種の人間を魅了するのだとも思う。
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