このレビューはネタバレを含みます
終盤で、自分の現状に絶望した主人公が「正しい世界で生きたいねん」と叫んでいるように聞こえるシーンがあったのだけど、
後々にインタビュー等を読んでいて「楽しい世界で生きたいねん」というのが本当の台詞であったことを知った。泣き叫んでいたので確かに聞き取りづらい部分ではあった。
この台詞の思い違いによって、鑑賞体験や読後感が大きく変わるわけではないけど、このたった一文字の違いによって、主人公が葛藤していたものの正体や感覚の捉え方に結構な違いが出てくるなとも感じた。
それは演劇のみならず、お笑いや音楽、ひいては日常会話においても、意図しない歪みや擦れ違いを生んでいるのではないか。はたして自分は日々の言葉をおざなりに使っていないかと、省みさせられる機会になった。
もちろん作品や演者への批判とかではなく、ふと考えさせられたことに関する記録です。仲野太賀かっこいい。