記録

荒井晴彦が詩人を撮ったらこんな感じなのだろうかと考えていたら、荒井晴彦脚本の『KT』に李箱役のキム・ガプスが出演していて驚いた。詩人の映画ではかなり面白いほうだと思う。李箱は道化、狂人のように描かれていて、常に寂しく、女性に慰めを求めているという描かれ方をしていて、これはいわゆるステレオタイプな天才像ともいえるし、これが本当に李箱なのかと疑わしくもある。ただ『烏瞰図』が新聞に載る過程なんかもフィクションとはいえ丁寧に描かれているし、『翼 李箱作品集』を読んでファンになった人は観て楽しめるはず。そしてDVDパッケージ？の内田裕也感よ。笑 確かに内田裕也的なところはあるが、もっと明るい。そう、詩人が明るい映画は嬉しいんだ。結構暗いというか平熱で描かれがちだから。そのほうが詩情があるふうに見えるけれど…ただ俺みたいにまあまあ明るい詩人もいるし、もっと明るい詩人が描かれてほしい。