真魚八重子

女神の継承の真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

女神の継承(2021年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

ナ・ホンジン原案&プロデュース。
タイの映画はどれを観ても、なぜこんなに時間がかかるのだろうと不思議になる。冗長とも微妙に違い、語りたい与太話が多いというか。
巫女の家系の若い女性に現れた奇怪な症状は、巫女の継承の時期の訪れか、それとも…という、女性が見舞われる異常の数々を1時間くらい見せる。長い。それを考えるのが、制作陣にとって面白かったんだろうな、と思う。
モキュメンタリーが古い手法になってきていると、本作を観て気づく。撮影クルーの突然の物語への関わり方、暗視カメラへの切り替えなど、ちょっとダサい。
「若い女性を苦しめているのが何か」をもし突き詰めてセリフで言語化できていたら、言い知れぬ恐怖で震えるような作品になるはず。「おまえら人間には理解できない概念だよ」というヤバさがほのかに見えている。しかし本作はそれに近づいただけで、表現するには至っていないので残念。

そもそも神霊を善と悪に分けることが、人間の発想でしかないのかもしれない。善悪の概念など超越した神霊があってもおかしくない。
真魚八重子

真魚八重子