初めから決められていた残酷な運命に向かっていく話、大好きなんですよね。「ヘレディタリー」とかがそんな話です。いくら足掻いたって助からないのは初めから決まってました、希望なんて何にも無かった。って話が。
今作はそんな話。最初から最後までずっと絶望。希望が一筋も見えない。ほんとに見えない。現状を良くしようと足掻いても全く上手くいかない。暗い。怖すぎる。どうしようもない。助からない、と本能で感じる。ラストの「もう辞めてくれ」と心で唱えてしまう程に酷いラストシーンは本当におぞましい。
凄まじい演技と、本物を使った小道具やセットの数々で完璧すぎる世界観を作っています。「見てはいけない」物を見てしまった感覚。この村は、この精霊は本当に存在するんじゃないか、という心の奥底に沈み込むような恐怖を植え付けてくるこの感覚はサイコスリラー映画に似てます。作り込まれた設定や展開も踏まえると今作はホラーでありながら、スリラー映画とも言えると思います。
考察しがいのある重厚なホラーが好きな方には強く強くオススメ。
個人的には今年見たホラーの中でNO.1。
