髙

女神の継承の髙のレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
-
面白くないです。
手法の効果が見事に裏返るイマイチな出来。白石晃士の方が数枚上手。
モキュメンタリーという体裁をとるなら、それを徹底しなければ至る所に突っかかりが生まれてしまう。没入感のための装置が没入感を削ぐ本末転倒な映画になってる。
最後のごちゃっと感もイマイチ納得いかないし、撮影班の矜持が全く見えてこないから、何でそれを撮るの?なぜそう撮るの?という疑問がいちいち邪魔をして素直に楽しめない。映像のクオリティが高いだけに、それさえも向かい風になってる気がする。最初から撮影クルーがいるというストーリーを俯瞰すればもっと上手くできるのにと思ってしまう。
行動に納得がいかない、というのも恐怖で正常な判断能力が鈍ってとか、理論の外の力でとか、そういう範疇を超えていて見ていて辛い。
細かい演出に光るところはあれど、悪い意味で心霊写真の時と同じ人が撮ったんだなと感じた。
儀式への盛り上がりはコクソンを思い出すので新しさもなく、総じてなぜ公開当時あれだけ話題になったのか分からなかった。
一番良かったのは犬や赤ん坊も死ぬところ。普通なのだけど、最近それを避けるノリに食傷気味だったので。
髙