【鬼が出るか蛇が出るか】
バンジョン・ピサンタナクーン監督のモキュメンタリーホラー作品
〈あらすじ〉
タイ東北部の小さな村で、先祖から代々受け継がれてきた祈祷師一族の取材に訪れた撮影隊。その最中、彼らは戦慄の恐怖を目の当たりにすることになる…。
〈所感〉
確かに怖い!が思ったほどでは無かった。『ヘレディタリー』のような作品を想像していたら、『エクソシスト』と『パラノーマル・アクティビティ』のような掛け合わせと言えばわかりやすいのだろうか。タイ東部の村で、正体不明の何かに取りつかれた若い女性ミンを助けるために、由緒正しき霊媒のニムと親族達が奮闘する様子をドキュメンタリー形式で描かれる。日本とはまた違う土着信仰が根付いた小さな村で、今にも何かが起こりそうな前半の雰囲気がとても異しく、ゾクゾクさせられ、他のホラーでは味わい難い未知の恐怖とご対面できる。霊媒を馬鹿にしていたミンがあそこまで豹変するとは。逆に後半は、なんだかゾンビ映画みたいなベターな展開で全員死ぬんだろうなぁと予測がつき少々食傷気味。ラストのニムの一言はこの物語の根底を覆す程の禁句であり、背筋が震えた。ホラー好きなら一度は見ておいて損はないかと思います。