お嬢さま

THE FIRST SLAM DUNKのお嬢さまのネタバレレビュー・内容・結末

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ごきげんよう

お久しぶりに劇場へ足を運びましたわ〜!
最近はもっぱら自宅でアマプラ鑑賞会でしたわ。
やはり映画館はいいものですわね

ところでわたくし、スポーツは一切興味がなく試合観戦などもしない人間なのですけれど、皆さまはいかがですの?
バスケなんて体育の授業で少し触れたのみで、運動神経もよろしくないものですから特に思い入れもありませんわ
ゆえにスポ根漫画はその物語と登場人物の背景・夢・ドラマをメインに楽しみます。
それにそういう風に描かれたスポ根漫画がほとんどですわよね。
今回観に行くにあたってわたくしはスラムダンクを初めて1巻から最終巻まで読んだのですけれど、おどろきましたわ!
ドラマは少しのエッセンスで、メインは無骨なバスケットボールの試合、試合、試合!
負けたくない、負けられないという想いと試合の面白さのみで構成されたストーリー
こんなスポ根漫画があっていいのか?と思うほどに異端。当時のことは存じ上げませんけれど、スポ根漫画界で革命が起きたのではないでしょうか
まさに井上先生の絵の上手さとバスケへの熱量が実現させたヒット作ですわね

前振りが長すぎますわ。映画の感想をしたためますわよ!

オープニングが始まって、リョータが描き上げられて動いて、三井が動いて…と全員が描かれていく演出から期待値が急上昇いたしましたわ!
最高の入りですわね。ここから山王戦前半がダイジェストのようになりながらもリョータの過去編が挿入されました。
リョータは父も兄も亡くして、母とも不仲というほどではないものの微妙な距離感で。そんな中でも兄の残した「この感覚を大事にしろ」「俺がキャプテンでお前が副キャプテンだ」と抱きしめてくれた想い出と夢を追いながらも、家庭での居場所もなければ学校での居場所もなく、彼にはバスケしかない。
孤独な少年がバスケを通じて居場所を得て、兄を亡くしたつらさから立ち直れていない母を抱きしめるラストまで、素晴らしいドラマを見せてもらいましたわ

リョータの過去編が始まって、三井の過去編もちらりと見えて、さあ次はだれの過去だ?とわくわくしておりましたら、またリョータの過去編!
恥ずかしながらここでわたくし、リョータが主人公なんだと気付いた次第ですわ。
この映画はリョータの物語。桜木花道でも流川でもなく!
わたくしにはとても真似できませんわ。原作の主人公とライバルを置いてリョータを選ぶその真意は、PGというポジションなのでしょうか
リョータがボールを持つ。指示を出す。ボールを回す。バスケの中心にいるPGポジションはまさに主人公のポジションですわ
タイムアウトが取れなければ、チームの方針を決めるのはPGですものね
そしてリョータは彼らの中では低身長で、まさに外国人と日本人のような構図の身長差ですわね
絶対に埋められない身長差。追いつけない理想化された兄。攻略不可能なゾーンプレス。他のキャラクターたちはチームメイトの力を借りつつ強敵を乗り越えましたが、リョータだけは自分の力だけで乗り越えます!
ここが主人公たるゆえんですわよ。No. 1ガード!ですわよね、彩子さん!

後半、試合シーンの素晴らしいこと。
モノローグの解説も、台詞もいらない。だってこれは試合だし、原作で解説したよね?と言わんばかりで。
読んできて正解でしたわ。だってこの試合のスゴさがシロートのわたくしにも理解るんですもの!
無音の緊張感がまさに原作通りで、勝つことは知っているのにこちらまで手に汗握ってしまいましたわ〜!
バスケ部だったという友人と観たのですけれど、スーパープレーにはそれぞれ元となった選手がいるそうですわ
バスケってマジでおもしれ〜ですのね!

わたくし、こんなに原作に真摯なアニメ見たことありませんわ
原作ママになぞると駄作になると知っているからこそのギャグシーン・名シーンカットが英断でしたし、声優の交代も元々のままだと主人公リョータに違和感を覚えたり、3Dアニメーションとの不和を感じたことでしょう。
原作者が制作に入るパターンの正解をみましたわ

夢のような伝説の試合を特等席で観させてくれてありがとう存じます
ぜひとも皆さまも山王戦を読んでから観戦いたしましょうね

それでは、ごきげんよう
お嬢さま

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