るか

THE FIRST SLAM DUNKのるかのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.0
あらすじが全く公開されない、作画がCG、スタッフのインタビュー炎上など色々と不安視されていた今作。正直期待以上だった。

まず、この映画を完成させたということを讃えたい。小学生のときバスケを始めたての合宿で読んだあのアツい『SLAM DUNK』それが10数年越しに劇場で動いている姿が見えるだけで観にいった価値は確かにあったと言える。議論を呼んだCGは確かに善し悪しある部分はあったものの、井上雄彦先生の「あの絵が動いていた」そして「バスケをやっていた」ということに感動。ドライブの時の体の動きだったり、ジャンパーの体の使い方などどの動きをとってもバスケ面では非の打ち所が無かった。アニメ特有の違和感が全くない。そしてなんと言っても最強にかっこいいオープニング。これはやっっばかった。思わず鑑賞中に「かっこよ...」って口から零れてしまうほど。一人一人が鉛筆で描かれていってオールドスクールなでっかいテロップで「神奈川県代表湘北高校」!!!!
対するは山王工業。お決まりの10人が魂かけて大好きな名シーンをリアルなバスケの動きとともになぞっていく。もうこれだけで気持ちいっぱいだった。

ただ、感動だけで終われなかったのが残念。CGで触れたがバスケの動きはめちゃくちゃいいのにそれ以外が微妙だった。特に桜木と流川のハイタッチのシーン。それまでの音が消え、水墨画のような余韻のあるタッチで描くシーケンスが良かったからこそあそこが淡白すぎてちょっと悲しかった。最後のリョータの顔が漫画調になるようなあーいう感じでやっても良かったんじゃないかなぁ。
あとリョータの過去回想と試合が交互に来るのがちょっとブレーキみたいになってしまっていた。せっかく盛り上がっているのに重い過去を見せられるとトーンダウンしてしまうのは意図してやった事なのかもしれないが残念。
もうひとつ、なぜ魚住は削除されたんだ....
確かに今の『リアル』などに代表される井上雄彦先生の雰囲気に合わないのは重々承知している。だけど、割烹着きた2mの大男に「お前は鰈だ。泥にまみれろ。」って言われないと赤木は立ち直れないのよ!ハルコさん大好きよ?けど「死守だ!ししゅーーー」を言うのはあんたじゃないの。魚住なの。なんか懐古厨みたいで嫌だけど、自分が好きなシーンが好きな作品から消された気持ちを察して欲しい。
色々言ったが、良作には間違いないので原作を読んでいようといまいと是非見に行って欲しい作品だ。
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