るか

生きものの記録のるかのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
4.6
オッペンハイマーが話題の中、今観るべき作品はこれだろう。いやぁ流石。
原爆投下から10年後。たった10年で人々の感覚はここまで鈍ってしまうのかな。
「こんな時勢に平気でいられる私たちが狂っているのか…」終盤の医者のセリフが深く心に刺さる。
そして三船敏郎という名優のマンパワー。一つ一つの所作が格好良く、序盤と終盤の表情の違い、最後の虚しさ....全てが完璧だった。「死ぬのは構わん。だが、殺されるのは嫌じゃ。」当たり前かもしれないこの台詞の力強さとその後の間。初めてひとつのラインで鳥肌が走った。最後の太陽をみて「地球が燃えている」というシーンはまさに視覚的に地球を燃やしたオッペンハイマーのラストと奇しくも重なる。
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