このレビューはネタバレを含みます
バガボンドの扉絵で見たような背景画。
あのSLUM DUNKが本当に動いている。
連載の最終回は1996年
あれから26年の月日がながれ、
みなそれぞれのSlum Dunk 観を育み、
人生を変えたものもいるだろう。
辛い時に読み返したものや
SlumDunkを読み、バスケを始めたもの、
親から子へというものや、
アニメで知り、原作を読んだ世代もいたはずだ。
そのような長い年月を経て、
漫画家 井上雄彦から提示された、
映画『First Slum Dunk』は登場させた人物への愛、作者の夢、作品への想いが詰まった。
濃密な作品であった。
エンディングの息を呑む、厳選されたカット、音効は圧巻だが、それまで差し込まれるエピソードもまた、エンディングへ圧縮される感情の起爆剤となっていた。
上映後は疲労を覚えるほどの充足感に包まれた。
名シーン、名ゼリフも厳選され、絶妙に登場するのがファンにはたまらない演出だ。
あのシーンやあのセリフと欲張ってしまうのもよくわかる。