You Can't Wake Up If You Don't Fall Asleep!
ウェス・アンダーソン作品は無条件に好きになってしまう…1週間で2回観れた。
1回目:ホワイトシネクイント
2回目:TOHOシネマズ日本橋
今作もパステルカラーやシンメトリックな構図、プロップデザイン、衣装など、あらゆる視覚要素が圧倒的に素晴らしい。特にオープニングのモノクロ映像からカラーとシネスコサイズに切り替わる瞬間は感動的で、これだけのために何度も鑑賞に行く価値がある。個人的には、スター・ウォーズのイントロから宇宙船が登場するシーンと同じくらい感動した。ちょっと焦らされてから「ウェス・アンダーソンだーーーーー!」ってなるのでね、、、
(他にもルックが良いシーンが無限にあるので、語り尽くせない…)
それにアレクサンドル・デスプラのサントラが今回も素晴らしい!毎回似てる感じなのに毎回違うんだよな。LP待ってます。
ストーリー的には、これまでのウェス・アンダーソン作品と比べてもさらにメタ的で、監督の映画制作へのアプローチについても内省的に描かれているように感じた。コロナ禍ってのも有るのだろうか。脚本と演出は本当に素晴らしく、大切な人の喪失や人生への向き合い方についてウェス・アンダーソンらしいアプローチで示唆されていると思う。また、当時のアメリカ社会の闇について明るくトボけて描きつつも、シニカルな作風はこれまでの作品とも一貫している。
何よりも、ドライな中にも温かさを感じさせられる演出は相変わらずたまらないな〜
人数多いのに全員が何らかの爪痕を残しているのも印象的。
(特にウィレム・デフォーなんて相変わらず少ししか登場しないのに強烈だった。)
今作は前作よりも複雑な入れ子構造で物語が展開されるため、2回の鑑賞が内容理解に役立った。演出や映像やサントラの素晴らしさによって何度でも鑑賞できるおかげでもある!フレンチディスパッチと比べると「劇中劇:アステロイドシティ」のストーリーが一本軸にあるので、見やすさが向上しているように感じた。ストーリーの内容についてちゃんと理解すると、「良い!」「好き!」という場面がどんどん増えていくのも興味深い。
※入れ子構造は以下のように理解した。
初見だと何がなんだか分からなくなる時あるし、人に説明するの難しすぎる…とは思いつつ、自分のスコアは5点満点。
1:"アステロイドシティ"の製作背景を説明するテレビ番組と制作者の思い出回想シーン
2:舞台劇 "アステロイドシティ"(こちらはドラマ仕立てで観ているけれど、あくまでも舞台劇)
3:"アステロイドシティ"のリアルタイム舞台裏(これは文字通り舞台裏)