なこ

アステロイド・シティのなこのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.7
前作ぐらいから作品の構成やストーリー、視点などがどんどん入れ替わり、かなり難解な話になってきているのだが、今回も今までとは違った切り口での作品となっていた。
全体のウェスアンダーソン調の可愛さや奇妙さの演出は今回も健在で、模型のようなキッチュな感じが砂漠の街という設定と相性抜群でした。

可愛いトーンの中にも必ずと言っていいほど、"死"というテーマが入ってきて、それに対して家族がどう向き合うかがテーマの割には静かなトーンで描かれているのが監督の特徴かなと思う。死を乗り越えたり立ち向かい方がすごく自然に行われてるというか、大人は深く悩むのに対して子供自然に受け入れてたり、子供が天才とか賢者的な役割を果たすことが多い気がする。
本作もさまざまな問題に対してどう向き合うかが微妙に味の濃い性格のキャストで描かれている。

正直見終わって、なんだったんだ、、、?と思うのだけれど、解説や今までの作品などを思い返してみて、その意図などを考え直してみると、じんわりとその良さが滲み出てくるような脚本な気がする。
作品の見方としては、ウェスアンダーソンは商業映画というより現代アートに近いかもしれない。
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