ロボットマン

アステロイド・シティのロボットマンのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.0
24-30
隕石の衝突によって出来たクレーターが名所のアステロイド・シティに集った個性豊かな面々と天才的な子供たち。科学賞の授賞式の式典のなか突然現れたのは宇宙人だった。
個人的にアステロイド・シティに限らずウェス・アンダーソンの映画は絵画鑑賞に近くて、美術館のあの静まりかえった中で絵をただひたすら眺めては次の作品に移っていくあの空間を楽しめる人には堪らないような気がする。
別に高尚な芸術だから〜とかそういうのではなく只の趣味の違いなだけで、スポーツに全く興味のない自分がスポーツ観戦に行っても苦笑いしながらコーラ片手にジャンクフードを食べて時間を潰すことしか出来ないのと同じ。
ウェス・アンダーソンの作品に意味を見出そうとして難解さや退屈さを感じている人が多いように感じるけど、この色彩と画角と無機質な人々と淡々と進むストーリーと心地よい音楽を、難しく考えずに観せられたままに受け取ってそれが楽しいと思えるなら面白い映画、そうじゃないならつまらない映画。それ以上でも以下でも無い気がする。
勿論「このシーンはこういう意味で…」とか「これは〇〇のメタファー」なんて考察やストーリーをしっかり汲み取ろうとする人を否定はしないけど、少なくとも自分はウェス・アンダーソン作品に対しては深く考えずに好きな画家の作品集のページをめくっては心でニヤニヤしながら隅々まで眺めてる感覚と似ている。
つまり何が言いたいのかというと本作もいつも通り好きだった。