桃龍

東京画 2K レストア版の桃龍のレビュー・感想・評価

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)
3.5
「20世紀になお"聖"が存在するなら、日本の監督・小津安二郎の作品こそふさわしい」と、冒頭にヴィム・ヴェンダースが語る。が、正直そこまで小津は…と思いながら鑑賞。
80年代の東京の風景や食品サンプル工場などをずっと撮っている中盤は、昭和の日本人にとっては退屈。

しかし、ヴェンダースによる笠智衆さんと小津組の撮影監督へのインタビューは、貴重かつ興味ぶかい。
笠智衆さんは、1歳だけ上の小津安二郎を、監督ではなく先生と呼ぶ。テスト20回+本番20回のシーンもあったが、自分を白紙にして学んだという。
最初から最後まで"カメラ番"だった厚田雄春は、小津安二郎に「恋人は?」と聞かれて「3本足のお嬢さん(三脚)です」と答えたと笑い、インタビューの終わりには感極まって涙ぐむ。
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