misty

硫黄島からの手紙のmistyのレビュー・感想・評価

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
4.4
『父親たちの星条旗』と姉妹作で、監督はクリント・イーストウッド。日本人としてはあまりに観ていて痛切でもある。

『父親たちの星条旗』は追憶を通じて過去と現在(硫黄島の戦いを生きた兵を父親とする子らの世代)の往復書簡という感じだが、『硫黄島からの手紙』はまさに「戦闘中」という現在に激しく迫ったもので、それがラストシーンの手紙によって「未来」へとリレーされる。過去、現在、未来という時空の作り方。素晴らしいです。このイーストウッドの手際によって、硫黄島の戦いがみせた人間性、残酷さと温かさが普遍性を持ったものになる。

戦争による惨禍と魂の記憶は、ずっと受け継がれる、受け継がれていくべきものだ。
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