たか

硫黄島からの手紙のたかのレビュー・感想・評価

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
5.0
 この“硫黄島からの手紙”と“父親たちの星条旗”は、まさに相乗効果である。“父親たち...”があって、この“硫黄島から...”が生かされているのだと思った。私は別々の映画として見る事はできない。
 “父親たち...”でもかなり感情移入できたはずだが、この“硫黄島から...”では、それ以上に感情移入できてしまった。やはり同じ日本人だからだろうか。それは本能かも知れないが、この小さい気持ちも、戦争の小さな火種なのだろう。
 “父親たち...”は、半分本土(アメリカ)が舞台になっていたが、“硫黄島から...”は本土(日本)でのシーンがほとんどない。それだけ硫黄島の生々しさを感じ取る事ができた。
 双方、同じような想いで戦っている。そして本当は戦争なんて望んでいない。でもお互いそれに気づいてない。敵は畜生だと思っている。そうじゃないと兵隊なんてやってられないのだろう。
 戦争が歴史をつくってきた。歴史の変化点には、必ず戦争がある。それは紛れもない真実であり、誰も否定できない。でもそれは今日で終わった過去の話である。そう信じる事にしよう。
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