まるくる

余命10年のまるくるのネタバレレビュー・内容・結末

余命10年(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

絶対泣くと思ってたけど、泣いた。
何も余計なことを考えず、1人の人間の人生を見てるという心持ちで素直に見た。やっぱり、人生とか生きることとかの重みを感じた。

「生きたくても生きれない人」と「生きれるのに自ら死を選んだ人」という、今までわたしが生きてきて絶対に理解し合うことはできないと思い込んでいた、そんな人間2人が惹かれ合って、愛し合う物語り。初めはあり得ないでしょって正直思ってしまったけど見ていくうちに、本当に幸せで、キザでありきたりな表現だけど運命を見せつけられたようだった。

もしわたしの家族、友達、恋人が、余命10年の宣告をされたら、私はどうするんだろう。自分がされる側ではなく無意識に、大切な人がそう宣告されたらどうするかと考えていた。私はその人に向かって、最後に笑顔で「よく頑張ったね」って言えるんだろうか。心が苦しくなった。

でも自分にとてもハマって、よかったところはいくつか合って、主人公がメインとして描かれてるのに、彼氏、親、兄弟、友達全員がすごくよく色を出してて、全員とってもいい役者さんたちばかりで、主人公の死だけに泣かせられたのではなく、全員に泣かせられた。本当に全員に。あとは、終わり方もよかった。重すぎなくていい。私はハッピーエンドがすごく好きで、今回みたいな誰かが死んでしまうような物語はあとあとまで引きずってしまうからあまり見たくないのだが、本当に重過ぎなくて、辛過ぎなくて、いい意味であっさりしていた。そして、RADファンの私にとってしたらあそこで洋次郎の声が流れてくるのは実に心地よかった。いい歌だった。

この映画は余計な雑念とかを一旦忘れて、素直な気持ちで見にいって欲しい。1人の人生を眺めるつもりで。
まるくる

まるくる