喪黒もぐちゃん

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版の喪黒もぐちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

自分という人間を、自分たらしめるものとは、いったいなんなのか。
生命とは、なにを以て生命と定義できるのか。
人間とロボットの違いとはなんなのか。

永遠にループするかもしれない自問自答の旅。

人間の身体には37兆個もの細胞で構成されているが、常に合成と分解を行い、たったの1〜2年経てばその37兆個の細胞は全て新しいものと入れ替わっているらしい。
1年前の自分と今日の自分、同じ人間といえるのだろうか。
だが人間には1年前の記憶は確かに存在してる。
全く違う細胞に入れ替わっても、それまでに蓄積された記憶や価値観などは保管し続ける。

新しいスマホに買い替える時、古いスマホの中にあったデータをバックアップし、新しいスマホの中にそのバックアップデータを復元する。
デバイスは新しくなっても、中にあるデータは引き継がれる。

記憶や価値観を蓄積する内殻。
時間と共に生まれ変わり続ける外殻。

その喋り方、歩き方、仕草、ファッションなど。
誰かから影響を受けたのか、または自分で見出したのか。
友人や職場などの環境が変われば、また違った仕草やファッションをするかもしれない。
その時、あなた自身の『自分たらしめるもの』とはいったい何に依存するのだろうか。

4K IMAXで生まれ変わったGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊。
広大なネットワークの海に誰でも出入りできる自由な時代になったが、誰も『自由』の意味なんて教えてくれない。
殻の中に籠ったゴーストを解放してみよう。
哲学をし続ける必要性が、此処にある。