どうせしょうもない自己啓発系恋愛映画なんでしょって思って観たけど、すごく良かった......
どこまでもまっすぐに性善説を描いた映画。
ここまで人の心を信じているのを見せられるとケチのつけようがないし、すごく晴れやかで清々しい気持ちになる。
感動的な展開だとか音楽だとかにじゃなくて、あまりにものまっすぐさに泣いてしまうという初めての経験。
びっくりするくらい、映画の中に悪意が存在しないし、展開もド王道なんだけど全く説教臭さがない。
それはたぶん、どこまでも性善説を信じた映画ながら、登場人物を良い人に描きすぎていないから。
観客が、自分もできるかもって思える絶妙なバランスになっているんですね。
あとは、「絶対にハッピーエンドで終わるだろー」って思いながらも、もしかしたら......え、違うよね.......?っていう謎の不安感があるんですよね。
性善説を信じているのは映画のはずなのに、いつの間にか自分が一番性善説を信じているという、目立たないけど地味に凄い演出力。
なんの情報も入れずに、タイトルとサムネだけで観たから「あっ、そっちなの!?」っていう意外性もあって楽しかった。
すごく良かったのが、冒頭の主人公の誕生日パーティーのシーンでの親友の表情。
誰でも経験あるんじゃないかと思うけど、友達に「絶対楽しいから!」って言われて半ば強引に、友達の友達グループの集まりに連れて行かれた時のあの気持ちね。
やっぱり自分だけ浮いてるし......っていう。しかも自分を連れてきた当の本人は、自分のことほったらかしでめっちゃ楽しんでいて疎外感半端ない時の、あーきついーっていう表情が抜群でしたね。