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イノセンツのあのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.5
エンドロールが上から流れてくる映画って珍しいよね、っていうのはどうでもいいんですが。

まず主人公だけ無能力で進めるのはかなりリスキーだったと思いますが、今作ならアナのお守り役に徹することなく、しっかりと観客目線の客観にできていたところには思わず拍手です。

また、ベンの母親に対する愛情と憎しみが拮抗した心理描写は本当に圧巻でした。あの自宅でのシーンは今年観た全ての映画の中でも突出していた気がします。

あと一つ。子供の無垢な怖さがあったという人が多いようですが、そういう話でもなかった気がします。大人たちがそもそも不安感を抱えていて、自分たちの人生で精一杯になっているからこそ、子供たちに負担がのしかかっていて、その負担こそまさしくイーダの反道徳的な行為や、超能力として現れていたというのが正しい解釈なのではないでしょうか?なんか子どもたちの心の叫びの映画に対して、あまりにも大人目線のコメントが目立つような気がします。あとこれに関しては少し話がそれますが、クーリンチェの上位互換にも思えました。
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