Zumi

イノセンツのZumiのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.9
無垢は正しさを知らない。
子供の頃はいくらでも邪悪な妄想をしたし、いっそ実現してしまったら面白いだろうと思っていた。子供は体躯も小さく、力も弱い。だからこそ大人の保護下で守られている。もし、妄想を実現できたら、、もし、大人の肉体を手に入れたら、、
ていうのがテーマなのかな。innocentは無垢とか、無実とかって意味だけど、子供は同時に正しさを知らず、社会を知らない。人がたくさんいるところで走り回ったら危ないしそんなこと迷惑なのはすぐわかるけど、子供の時は周りを意識することはない。妄想で馬鹿なこと考えるけど現実には望まない。そんな当たり前の正しさを知らずに生きている。大人に諭されて怒られて罪を知って共生していく。別に子供の無垢さは可愛いだけのものじゃなく、力がないから成り立っているもの。子供のまま年齢だけ重なってる人はいるし、そういう人は怖い。映画で描かれる超能力はそれを体現したものと考えている。親が消えてしまったことが彼の歯止めが効かなくなった要因であるし、逆に親の素行が彼をあそこまで危険な人物にした要因であると考えられる。最後には社会に罰せられるというのも酷いが現実的で好き。
自閉症の勉強をしていたことがあり、本作の描写があまりにリアルで感心した。先生に紹介したいくらい。
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