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呪術召喚/カンディシャのYuki2Invyのレビュー・感想・評価

呪術召喚/カンディシャ(2020年製作の映画)
3.4
バスティロモーリーご両人としてはごく意外なマデに、超・オーソドックスでシンプルな…とまずは思ってしまいましたよね。デビュー当初からそのホラー的造詣の深さは随所で大いに醸しつつ、でも結構カタに嵌らずに色んなタイプのホラーを撮ってきてるよな…というお二方だと思うのですが、ココである種の原点回帰…とゆーか「こーいうのも撮れるんだぜ!」という感じなのかも知れませんかね(決して悪いコトではないと思います)。

お話は(最近のだと)まんま『ラ・ヨローナ』とか『死霊館のシスター』みたいなヤツでして、かつ内容自体もその進め方の方もごくシンプルです。そしてお二方にしては珍しく最初からアクセル全開で諸々とブッ飛ばす…というコトもなく、描写の過激さもその見せ方もラストに向けて徐々に徐々にかなり丁寧に盛り上げてってる…という点でもまたオーソドックスな質感だったかなと(それでもラスト付近はまた結構にグログロだったりするのですケドね)。

更に、重ねてオーソドックスなホラーとは言え、元ネタ?がモロッコのお話らしくて肝心のホラーモンスター・カンディシャちゃんのルックスとかも結構エキゾチックで目新しくはありましたし、他にもやっぱり悪魔祓いをアラーの力で…てのが単純にそこそこ新鮮じゃなかったかなと。あと、フランスの現代もの…(そして移民系の方々が主要キャラ…)となると、その普段の生活環境自体の厳しさ・荒んだ感じなんかにも高度なリアリティが醸し出されててソコもやっぱり興味深かったですね(コレも最近のだとラジ・リ監督の『レ・ミゼラブル』とかにも通じる様なその感覚は今作でもしっかりと感じ取れたのでして⇒流石おフランスのお仲間)。

ただ、少々残念なコトが2点。ひとつは、この話はある種主人公の「しくじり」が周囲を巻き込んでかなり悲惨な事態を起こす…というヤツなのであって、だとしたら巻き添えを喰った友人とかが主人公にネガティブ感情を叩きつけるシーンが必ず在って然るべきだと思うのですね(コレは、オチが結局あーいう感じだから私ちょっと言いたくなったった…というヤツです⇒そーしておけば、アソコでああなってしまうコトにもう少し諸々の「重み」とかも出せたのでは…と)。もう一点は、前述どおりカンディシャちゃんの「見せ方」についてもごく慎重に少しずつ見える量を増やしていって、でオーラスで全開丸見えにしてる…のですケド、このオーラスのヤツってフツーにどっかから大男ひとり連れてきて、でソレに衣装着せて特殊メイクしてやってませんかね?私にはなんかフツーに只の大男にしか見えませんでして、ソコが正直一番残念でしたですね⇒拍子抜け。ソレこそこのつくりならば、ソコは『死霊館のシスター』のヴァラクみたいな感じのをポンと出しとけば好かったのではねーかな、と(+も~CG全開でもイイからさ…と)。
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