写真家のジャニス（ペネロペ・クルス）とティーンエイジャーのアナ（ミレナ・スミット）はともにシングルマザーとして娘を出産する。しばらくしてジャニスはある疑いからDNA鑑定によって、子供が取り違えられていたことに気付くが、そのことを誰にも言えないまま、偶然アナと再会する。
ペドロ・アルモドバル監督らしいといえばらしい、2人の母親とスペインの歴史を重ね合わせた異色作。
子供の取り違えという重大事件が軸になっているものの、よくあるドロドロとした昼ドラにはなっていかない。
真実を明かしてからのアナとの関係や、娘を失う苦しみがほとんど描かれないのが逆に驚きで、潔さを感じた。
以下、ネタバレあり。
もしジャニスの娘アニタが生きていたら、もし気付くのがもっと遅かったら、どんな家族のかたちになっていたんだろう。血の繋がりが一番とは思わない自分としては、そのへんの掘り下げがないなと思ったし、ジャニスとアナが愛し合っちゃうって？？
それに、あっという間にアルトゥロ交えてほぼ家族になって発掘作業というのも違和感があって、取り違えメインの映画と思って観ていると、異様にバランスが悪い。
要するに、この作品のテーマはそこではないってことだろう。
“人の歴史は口を閉ざすことを拒む”
事実を知り伝えること、自分たちは内戦時の殺す側と殺された側それぞれの子孫であること、そんな過去を背負って家族とともに生きることの大切さがメッセージに思えた。
2つの大きな物語を重ね合わせた意欲作だけど、凝りすぎ感があったかなー。
やっぱり、ペネロペ・クルスはいくつになっても驚異的な美しさ！彼女がジーンズでCanonのシャッターを切る姿がカッコ良すぎる！
