Netflix×パオロ・ソレンティーノという衝撃のタッグ。
いつもクセのある映画を撮るソレンティーノ監督だが、彼の少年時代の思い出を映画化したという(キュアロンのROMA的な)本作は青春ドラマとしてかなり見やすかった。
要するにソレンティーノの分身たる少年がさまざまな経験を経て映画を撮るという夢を持ち旅に出るまでのお話。
よくフェリーニを継ぐ者と呼ばれる監督だが、今回は回顧録なだけにかなりそれが前面に出てる。
陽光が眩しいイタリアの街並み。
情緒があり荘厳な風景。
たまに生々しくグロテスクにも感じるショット。
魔法にかけられていたようにハッとする瞬間が何度もあり、特に後半からのエンジンのかかり方はまさに映像の魔術師。
叔母さんが髪をかき上げるだけのシーンであれだけ衝撃的な映像が撮れるのか。
強い映像しかないので退屈な瞬間なんてない。
しっかりとした映画館で集中して見たかった。
この作品に映画館の魔法が加わればどんな体験ができたんだろう。
ソレンティーノ監督の映画愛、ナポリ愛、マラドーナ愛が詰まった圧倒的な余韻の映画。
映画に心奪われ、もっと映画を見たくなる。
そんな余韻。