はじまってから1時間くらい、なんの話だこれ?今のこのシーンってどういう意味??って思い続けていたのに、見終わったころには、あーなるほどな!ってなってるし謎の充足感に満ち溢れてる。
こういう映画を撮れるのって、私は現時点ではパオロ・ソレンティーノしか知りません。
今作はネトフリ配信ということもあり、より、えっ????みたいなシーン多かったですね。ネトフリってすごい自由にやらせてくれるんだろうな。知らんけど。
トンチキ一族のトンチキ話が、シームレスに少年の成長物語になる手腕がすごいですね。
似たようなテイストの映画だと、真っ先に超名作の「ニュー・シネマ・パラダイス」が浮かぶけれど、よりユーモラスにというか、変に気取ってない感じがよかった。
一族をはじめ、ファビエの周りの人たちも超よかったですね。男爵夫人の漢気よ……。
内容もシームレスなんですが、映像の滑らかさもすごかった。
島から出港する船のカットとか、映画監督との対話の末に出会うナポリの風景とか。
沖合を進む船の音、海辺に浮かぶ家々の光、ぜんぶパオロ・ソレンティーノ監督自身の心に焼きついているんだろうなと思った。
どこまでが本当でどこからが創作かはわかんないけど、両親の口笛とかもすごく好きだな〜。ソレンティーノ監督、基本的に"愛"を描き続けている人な気がして、そういうところが好きだ……。