KeiRalph

死刑にいたる病のKeiRalphのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.0
この調子で次の「仮面ライダーBLACKサン」、私は期待してます。

色々注目作も公開され、遅れての鑑賞なのできっと人も少ないだろうなと思っていたら、キャパ1,000人くらいの劇場は7割位の入り。原作付きだからなのか、若い女性やカップルも観にきててまずびっくり。前の孤狼の血もそうですが、白石和彌作品て結構血生臭い内容多いのに、なんでこんなに客層の幅が広いんでしょうか…

上記の通り原作未見、白石監督作目当てでの鑑賞。まあ、期待通りの作品といえばそれまでですが、白眉は阿部サダヲのサイコパス演技につきますよね。

普通の佇まいでも瞳の存在感半端ないのに、ほんの僅かな心理の揺らぎをほぼ瞳の変化だけで伝わってくる。純朴な青少年を従属させる殺人鬼役として完璧。

その殺人事件の一つは冤罪であると面会室で告げられ、真相を突き止めんとする雅也役の方(名前忘れた)も、いい意味でおぼつかない演技で良かったですね。後々自身にも宿る「狂気」の自覚を目覚めさせんとするそれまでのギャップ。階段ですれ違う女子高生に何するでもなく笑いかける姿、良かったです。

ミステリーものなので、核心の部分までは感想書けませんが、白石和彌監督ならではの、ワンシーン毎の説得力、納得感や安定感は素晴らしいと思います。もう少し枠を外して、トゲトゲしさも欲しいな…と思うのは贅沢かもしれませんが。
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