このレビューはネタバレを含みます
原作未読。
過去に観たものを思い出しながら書いてるので少し浅い感想。
阿部サダヲの演技力にあっぱれ。
阿部サダヲ以外の配役も派手すぎず、あえて少し地味な印象を持たせることでストーリーに入りやすかった。
演出も良かったように思える。
ただ、オチに期待しすぎてしまったので若干拍子抜けしてしまった部分はある。
あ～、へぇ～そういうことか～。という感じ。
阿部サダヲ演じる榛村の狂気っぷりはもうタガが外れていて、
看守のことさえ洗脳している。
そんなところまで有り得る？と思ってしまうが、
日本にも数多く存在するカルト教団のことを考えれば、
そういう歪な才能を持った人間っているのかもしれない。
人の弱みを上手く握ってそれを悪く利用しつつも、人の扱いが上手いので、距離をぐんぐんつめてくる。
殺人犯でなくとも、そういう嫌な上司とかって全然いる。
主人公雅也も榛村に大切に温められていた“大事な存在”だった。
個人的に一番リアルで気持ち悪いなと思ったのは、
雅也が途中から交際する同級生の女との関係。
あの女は何故か本当に気持ち悪く感じて嫌悪感が酷くあった。
雅也の傷口をベロりと舐めたり、セックスした後に悠々と彼女ヅラをする。
ああ、女って本当にこういう生き物だなって。
雅也は賢者タイムかつ榛村のことを考えているので、女に目もくれない。
リアルすぎて吐き気がした。
しかし雅也は自分は榛村の子供ではない、普通の人間である、と気づき、
穏やかな生活を取り戻しつつあり、その間ずっとそばに居てくれたその女と交際をしだす。
それもまた重たいストーリーとは裏腹になんて単純なんだと感じる部分。
でも最後の、実は女も榛村から手紙が届いており、洗脳を受けていた衝撃は良かった。
榛村から解放され、あとはゆっくり自分らしく、大学生生活を楽しんで行こうと思っていた矢先の絶望。
その後逃げ切れるといいね。
