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In the Name of(英題)
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『In the Name of(英題)』に投稿された感想・評価

[] 60点

2013年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マウゴジャタ・シュモフスカ長編五作目。今回の主人公は田舎司祭である。ずっと信心深かったわけではなく、21歳のときに突然亡き父を感じたことで目覚めた人物であり、グレた子供たちへの理解もある善良な司祭だ。そんな彼は問題を抱えた少年たちのケアを行う宿泊施設を教区に作って運営している。少年院あがりの少年たちは地元の少年たちとは折り合いが悪いようだが、施設内の少年同士ではそこまで仲が悪いというわけでもなさそうだ。映画の半分くらいまでは全く何も起こらずに、淡々と彼らの日常風景を描いているわけだが、徐々に方向性が見えてくる後半30分でようやく物語が動き始める。主人公は幼少期に癒えない心の傷を負ったことで少年に対する思いが断ち切れず、自分はペドフィリアではないとしながらも、日常的に少年たちに触れ合っている。ウルリヒ・ザイドル『スパルタ』のような凶悪さはなく、単純に"理解者"、基"ハグしてくれる人"を求めての行動のようで、映画全体も彼を糾弾することはない。ポーランドはカトリックが強い国で、性的マイノリティへの弾圧も激しいため、二重の意味で主人公を設定したんだろう。だからこそ、"自分であること"が当然である、という優しさによって包まれている。