菩薩

社会から虐げられた女たちの菩薩のレビュー・感想・評価

社会から虐げられた女たち(2021年製作の映画)
4.0
タイトルずばりの映画であるが(なんなら頭に「男性」を付けてもいい)この邦題どうにかならんかったんか大賞受賞出来る。ざっくり言うとイタコがキチガイ扱いされる映画なのだが、似非科学や似非医療が如何に女性の精神を縛り肉体を傷付け、またコルセットが女性達を規範の中に抑制して来たかをめちゃくちゃ真面目にやっているし、精神病院そのものがメタ的に社会そのものを物語っている。何より驚くのがメラニー・ロランその人自身なのであるが、『人生はビギナーズ』のイメージが強いせいかまだまだ若手やんけとの印象しかないのに、私達はもう手遅れだからせめて貴女達だけでも幸せになってと、次世代に向けてのメッセージを発信する役を担っている点、いやほんと貴女も幸せになるべきですよと言ってあげたいのだが…。美しくそして強い女性の連帯が描かれている作品でもあるし、同時に女性が加担して来た負の歴史を省みる作品でもある、要するに至極立派なフェミニズム映画。おそらく『マグダレンの祈り』→これ→『ウーマン・トーキング』くらいの流れで観ると余計面白い。もうちょい評価高くても良いと思うのだが…?この評価に留まってしまうのも何をか言わんやである。
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