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カラダ探しのRのネタバレレビュー・内容・結末

カラダ探し(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2022年の日本の作品。

監督は「海猿」シリーズの羽住英一郎。

あらすじ

7月5日、高校生の明日香(橋本環奈「キングダム 運命の炎」)は深夜0時、気がつくと高広(眞栄田郷敦「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-決戦-」)らクラスメイト5人と共に学校にいた。そこに現れた全身が血で染まった少女「赤い人」によって6人は次々と惨殺されてしまうが、目が覚めるとそこは同じ7月5日…。その日から6人は何度も「赤い人」に殺され、永遠に同じ日をループすることに…。

原作漫画はジャンプ+でチラチラ見た感じで「ふーん、こんな感じねー」というくらいの軽い感じで読んだ記憶があるが、それ以降もシリーズ化されたりした結果、まさかの実写化、そこまで興味があるわけではないけど、丁度夏だし、邦画ホラーもたまには観たいなと思い、友だちと鑑賞。

いやぁ、つまらないわけじゃないけどツッコミどころ多すぎて逆に面白かったです。

お話はあらすじの通り、最近流行りの「ループもの」に「学校の怪談」的なホラー要素を組み合わせた、いかにも「若い人向け」なホラーな内容。

加えて、深夜の学校に集められた高校生6人が殺された少女「赤い人」との命を賭けた鬼ごっこを展開しつつ、バラバラになった「カラダ」を探すという「デッドバイデイライト 」に「宝探し」を足した様なゲーム的要素も入ってるから、まぁそれだけで楽しい。

で、その高校生の6人を演じるのは今をトキメク若手俳優陣…なんだけど、まず言いたいのがあの「1000年に1人の美少女」と呼ばれたハシカンがハブられてるっておかしくね?

どうやら、劇中では体調不良で一日休んだことでサボった扱いされて無視されてるらしく(そんな理由で!?)、ぼっち状態で1人トボトボと登校しているんだけど、まぁ妬み嫉みで同性からはハブられてるってのは分からなくもないんだけど、男子高校生同士が「あいつ(ハシカン)は異性としてどう?」「いや、ないっしょ〜!」って陰で悪口言ってるんだけど、いや美人過ぎて無理あるわ!!

こんな可愛い子がいたら、いじめられてたら「アイアムアヒーロー」の大泉洋じゃないけど「俺が君を守る!」的な男子が登場してもおかしくないわけで、そういう意味ではやっぱこの主人公にハシカンはミスマッチすぎる。

他にもスポーツ万能、容姿端麗な圧倒的勝ち組の高広を眞栄田郷敦、ちょい柄悪い不良少女の留美子を山本舞香(「SHE HER LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる」)、引きこもりの篤史を神尾楓珠(「HiGH&LOW THE WORST X」)、いじめられっ子の翔太を醍醐虎汰郎(「野球部に花束を」)、優等生の理恵を横田真悠(「炎上シンデレラ」)と「いかにも」なわかりやすいキャラクターの配置。

なんだけど、神尾真珠がヒッキーっていうのもなんか無理があるな…。

あと、眞栄田郷敦、それまでまともに彼の演技を観たことがなかったんだけど、さすが千葉真一の息子であり、真剣佑の弟なだけあって、めちゃくちゃ男前でなおかつ演技もピカイチで上手かった!

で、そんな6人がいきなり深夜の学校で「赤い人」に惨殺されていくんだけど、ここのホラー描写は流石羽住監督なだけあって、なかなか気合いが入ってた。

まず、「赤い人」のルックスが怖い。殺されたのは少女というから、「呪怨」の俊雄君みたいな感じかなぁと思ったら、その名の通り、全身が血に染まり、その目はくり抜かれてニタニタと笑いながら襲いかかってくる感じがめちゃくちゃ怖い。しかも、動きもめちゃくちゃ俊敏でシーンによっては首が曲がった状態で「エクソシスト」まんまな体勢でカサカサとコチラに向かってくる場面もあったりして👍

また、その「赤い人」によって惨殺される描写も神尾真珠演じる篤史が速攻で上半身と下半身が一刀両断されたり、山本舞香演じる留美子が突き落とされて口から血を吐きながら息耐えるシーンがあったりと割と容赦ない。

特にハシカンの死に様がすごい。次々にクラスメイトたちが死んでいく中、最後に生き残ったハシカンはどうするでもなくただ追い詰められて、「赤い人」に口に手を突っ込まれて殺されるんだけど、目を見開いたまま、顎が外れるくらい口を裂かれて死ぬという、いくら「銀魂」で変顔に定評があるからってここまでやる!?ってくらいのインパクト大な死に様でもうここだけで緩い感じが全然なくて良い。

で、全員ゲームオーバー、同じ7月5日にタイムループして第二ゲームへという流れで、「ルール説明」もそこそこになるほどこういう感じね!とこちら側も把握してどんどんホラー展開になっていく…と思いきや…。

なぜか、第二ゲームの終わりくらいから、ホラー展開は何処へやらキラキラ青春ムービー☆に様変わりしてしまう笑。

おかしいのがそれまでそこまで接点がなかった6人なんだけど、本当めちゃくちゃ急に仲良くなっちゃって、女子3人がカフェでパフェ食いながら恋バナ繰り広げたり、作戦会議と称して図書室でワイワイと作戦を繰り広げたり、一番爆笑したのが6人がバカンススタイルで海に遊びに行って、「君キャワいーねー!」なナンパ野郎とバトルを繰り広げた挙句に「にっげろー!」とばかりにキラキラしたカメラワークでスローモーションでキャッキャウフフする6人のショット…

いや、これホラーですよね?不良の留美子やいじめられっ子の翔太も急にはっちゃけてキャラ変しちゃうし、その影響からか生き死にをかけたゲームの深夜の学校でも「リアル脱出ゲーム」的なアクティビティ感覚で挑んで「あー、また死んじゃったよー!」と軽いノリでどんどん死んでいく…。

今の若者ってこんな感じなん笑?すげぇな。

いきなりのギアチャンジに確かにめちゃくちゃ面食らうんだけど、それが逆にトンデモ映画じみてて面白く感じてしまった。

ただ、そんなノリで挑むゲームの中で段々と「カラダ」を見つけていき、チームの仲も深まりいい感じだったんだけど、手がかりを探しに「赤い人」の元になった事件が起こった屋敷で少女が生前大切にしていたエミリー人形を解放したことでまた難易度が跳ね上がる。

なんとその夜挑んだゲームで「赤い人」がエミリーと同化、モンスター化してしまう。

で、その見た目は少女の要素は微塵もなく、身の丈数メートルもありそうな化け物なんだけど、襲いかかってくる時、口が裂けている感じとか貞子のような長い髪から垣間見える小さくもギョロギョロした目など、まんま「シン・ゴジラ」なのが面白い。

で、そこからはホラーではなくモンスターパニックに移行していくんだけど、なんとそいつに食われると現実に戻っても生き返らず存在感自体がなかったことになってしまう。

で、カラダ探しをクリアするとそれまでの記憶も無くしてしまうこともわかってきたりといよいよクライマックスに向けて盛り上がる…ように期待してると意外に盛り上がらなーい。

ハシカンとゴードンのラブシーンがあったり、最後の対決での撃退方法がなんかグダグダだったり、いまいちカタルシスを感じなかったりと中途半端に終わってしまったのは残念だったかなぁ。

まぁ、キャスト陣はみんな頑張ってたし、井戸から出てくる無数の手のショットやハシカンの死に様などインパクトはあったし、何よりホラー、青春、モンスターパニックと一度で割と色んな味が楽しめることもあったりと退屈せず観られたから全然OK!!

これはホラー苦手な人でもそれほど怖くないし、友だちとツッコミながら観るのがオススメだと思います!
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