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ある男のよのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
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ルネ・マグリッド『複製不可』から始まるこの映画は、背中を映し出すカットがかなり多い。
確かに背中を映すというのは、この映画の自分とは何かを問いかける姿勢に対してふさわしい選択かもしれない。
FaceIDとかまさにその人の顔をアイデンティティとしてパスワードに落とし込んでいる。
顔を映さないということは、その人の動きがさらに際立つと感じた。窪田が自転車で夜道を走るシーンからは立ち漕ぎの姿から伝わるものがあった。
一方で背中を見て知り合いだと気づくこともあって、後ろ姿はその人との距離感によって見方が変わってくる。
よ