とてもいい映画でした。
ミステリー要素はありますが、テーマは別にあります。
オープニングのタイトルバックはルネ・マグリットの『不許複製』で、この絵が本作を暗示しているといえます。鏡に向かって立つ男。鏡に映るのは男の顔ではなく、男の後姿、という絵です。
自らの出自とどう向き合うのか、受け入れるのか、それとも、、という重いテーマでしたが、ラストまで時間を感じさせない面白さでした。出演陣の演技は素晴らしいものでした。
劇中にも出てきますが、結局真実がわかったところで、どうでもいいことなのかもしれません。「タニグチダイスケ」が、安藤サクラ演じる里枝さんと過ごした数年は幸せなものだったはずです。それだけで十分です。