みやび

ある男のみやびのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
2.5
日本アカデミー賞「最優秀作品賞」他、数々の賞を獲っているということ以外、予備知識ゼロで鑑賞。

窪田正孝も安藤サクラも大好きな俳優なのでとても楽しみにしてたが、、、正直、民放でやる2時間ドラマのようなレベルのストーリー&脚本で肩透かしを食らってしまった。


離婚歴のある章良(安藤サクラ)は子供と共に戻った故郷で大祐(窪田正孝)と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、大祐が不慮の事故で急死。

その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明する。

弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者である章良から、夫の身元調査を依頼される。

章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への複雑な思いを募らせていく。といった内容。


安藤サクラも窪田正孝も、暗い状況と幸せな状況の演技にコントラストが効いててよかったと思う一方、既視感のあるストーリーに、期待していた分ガッカリしてしまった。


最近の日本アカデミー賞が大好きそうな《暗い》内容。

そして終始、暗い演出と劇伴。

え、これが日本最高峰の、1番を獲る映画なのか?


ズバリものを言う長女(19歳)と観ていたが、「うん、これ冒頭からして面白い作品じゃないね。掴んでこないし、最後までこのトーンでいくよ絶対。それで多分ストーリーも薄いと思う。」と言い放った。

そして、最後まで観て一言。


「言った通りでしょ?評価2.2。」


うん。概ねあなたの仰る通りでした。😅


絵画の意味は鑑賞後に知ったが、僕も含め、そもそもあの絵を知らない人には通じない。

絵画やアートは“知識で見る側面もある”というのは、考え方として知っている。

これは特に現代アートで言われるが、感じるだけでなく‘’アートは知的教養を持って見る”という意味。

しかし本作のあの絵を知っていたとしても、ストーリーの本筋とは直接関係ないので、残念ながら深みは得られない。


柄本明はああいう役(怪演)をたまにやるけど合っていた。どんな役をやっても存在感がある。
ただ、関西弁がちょっとね。笑


安藤サクラ主演ではバカリズム原作『ブラッシュアップライフ』、窪田正孝主演では湊かなえ原作『Nのために』が1番好き。

共にドラマだが、脚本も演出も最高の作品だった。

ヒューマンドラマやサスペンスであれば、こういう練りに練られた作品が、そういった“大した賞‘’を受賞して欲しい。

やはり「日本アカデミー賞」は、本番アメリカの「アカデミー賞」の様に価値ある賞とは思えない。

オススメ映画を聞かれることが多いが、これはオススメしない。
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